国産ブドウだけを使った日本ワインの品質を競う「日本ワインコンクール」。2003年から開催されており、日本ワインの品質や認知度の向上を目的としています。このコンクールでは、ワインの品質を評価するために専門家や有名ソムリエが審査を行い、金賞、銀賞、銅賞などが授与されます。また、各部門で最高得点を獲得したワインには特別賞が与えられます。
「日本ワインコンクール」が始まった当時、まだ日本ワインの定義がなく、国産葡萄のみでなく、海外の原料を使うワインも多々存在し、問題となっていました。しかし「日本ワインコンクール」は国産原料100%という世界では当たり前の産地呼称条件で審査をしていくことで、徐々に生産者、流通、消費者に日本ワインの定義というものを広めていったのです。日本ワインの歴史において、大きな功績を残したと言えるのが「日本ワインコンクール」であると思います。
「日本ワインコンクール2024」では、開催20周年を記念して、金賞の更に上となるグランドゴールドを新設しました。グランドゴールドは92点以上を標準とする各部門のエントリー数の1%相当のワインに与えられる賞です。ちなみに金賞の規定が85点以上92点未満。今年であれば出品数941品のうち36品が金賞受賞で3.8%と高いハードルと言えるのですが、グランドゴールドは2品のみの獲得となっており更に難易度の高い価値のある賞と言えます。
グランドゴールドを受賞したのは下記の2アイテムとなります。
・安心院ワイン シャルドネリザーブ2023(安心院葡萄酒工房 大分県)
・中富良野ソーヴィニヨンブラン2023 (ドメーヌ レゾン 北海道)
私が2度ほど見学させていただいた安心院葡萄酒工房が、グランドゴールドを受賞したことは、我がことのように喜ばしく思います。「安心院ワイン シャルドネリザーブ」は、完熟した安心院産シャルドネを使用し、新樽100%で発酵・貯蔵されています。豊かな南国の果実の香りと、樽由来のバニラやスパイスの香りが複雑に感じられ、口当たりは芳醇で、長い余韻が楽しめる、リッチなニュアンスを感じるワインです。
安心院葡萄酒工房では、日本ワインコンクールで「安心院スパークリング」が今年もスパークリング部門で一位金賞を受賞しています。これで通算8度目の一位金賞とのことで、スパークリング部門において他の追従を許さない地位を築いています。「安心院スパークリング」はシャルドネ100%であり、安心院の地でのシャルドネのポテンシャルの高さを証明しています。
シニアソムリエ 中村
シェアする